お茶の用語辞典 ア行

ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 

ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 


ア▼ イ▼ ウ▼ エ▼ オ▼


 

アイ(合)
碾茶園(玉露園)の下骨で、人が乗って藁振りをする太竹の筋を通(とおり)と言い、人が乗らない中竹の筋を合(あい)と言う。
アイセイ(あいせい)
手揉み製茶の工程のうちでんぐり揉みを宇治ではアイセイとも言う。宇治の揉切り製と静岡の転繰製を合わせた製法で合製というのか?
アイタイ(相対)
相対取引。取引用語、売り手と買い手が相対して値の交渉をする。(入札取引)
アオコ(青粉)
仕立粉に同じ。花粉、切粉とも言う。
アオセイ(青製)
1738年、永谷宗円によって始められた製法で宇治製とも言う。
アオチ(煽ち)
冷台(走り)に撒布された茶葉を団扇で煽ぎ、茶葉を冷却すること。
アオチャ(青茶)
灰汁を使った湯びき製法で製造した青い碾茶のこと。それまでの白っぽい茶は「白茶」と云われた。小堀遠州は「青茶」を「後昔」と命銘した。
アオモミ(青揉み)
手揉み製茶で下揉みのこと。
アオメ(青芽)
茶摘みした茶の新芽のこと。
アオヤナギ (青柳)
製茶期の終盤になり、生葉が硬化して煎茶のように揉み込めなくなって出来る大型の軽い茶のこと。
アカボウ(赤棒)
茎が硬化して赤い棒になったもの。槍持ち━白棒(ペタ棒)━赤棒と硬化する。
アキオチ(秋落ち)
秋になって茶の品質が悪くなること。
アキゴエ(秋肥)
十月、十一月にやる肥料のこと。昔は秋に四回位も下肥を施した。
アキセイシ(秋整枝)
製茶の前年の秋、十月、十一月に整枝して、来年度の新茶摘採の台を造ること。
アキテン(秋碾)
秋番を碾茶炉であぶって碾茶に製造したもの。加工用抹茶の原料に使用される。
アキテンチャ(秋碾茶)
アキテンに同じ。
アキバン(秋番)
九月、十月に製造される番茶のこと。
アキメ(秋芽)
九月の彼岸頃から伸びる芽のこと。
アゲシ(上師)
手揉み製茶で、中上げまでの力のいる作業をするのが初心者の一番師で、その後の作業をするのが熟練の二番師である。三河地方では、下揉(した)と上師(あげし)と呼ばれる。
アゲネリ(揚げ煉り)
碾茶をつる切り或は粗折りののち低温で行う再火入れをいう。練乾燥ともいう。
アゲハ(揚葉)
揚げ煉りでできた碾茶荒茶のこと。
アゲホイロ(揚げ焙炉)
製造した茶を完全に乾燥するために用いるややぬるい火の焙炉のこと。アゲロ、隠居焙炉、練(ネリ)焙炉、ホシボイロ(干焙炉)、ワキホイロ(脇焙炉)とも言う。
アゲモミ(揚揉み)
シナモミが終わり、中揚げ以降の揉み工程の後半部分で、熟練した焙炉師(二番師)が担当した。
アゲモミ(上揉み)
静岡式手揉みの最終工程で、茶を二分しその片方を揉み切り(握る)すること。握るに同じ
アゲモミシ(揚揉み師)
手揉み製茶の揚揉みを担当する熟練の焙炉師のこと。
アゲロ(揚炉)
製造した茶を完全に乾燥するために用いるややぬるい火の焙炉のこと。アゲホイロ(揚げ焙炉)、隠居焙炉、練(ネリ)焙炉、ホシボイロ(干焙炉)、ワキホイロ(脇焙炉)とも言う。
アサツユ(あさつゆ)
宇治在来より選抜された品種で、天然玉露の名がある。ゆたかみどり、さえみどり、つゆひかりなどアサツユ系は多い。
アサヒ(あさひ)
碾茶の品種。宇治郡東宇治町の平野甚之丞が宇治在来より選抜した。平野11号
アサミヤ(朝宮)
滋賀県信楽の茶産地。宇治田原より裏白峠を越えた標高400メートルの高地で、香りの良い煎茶の産地。
アサミヤモミ(朝宮揉み)
宇治製法が朝宮に伝わり、朝宮で改良された手揉みの揉み方。
アシ(足)
「足を長くする」とは茶の寸法を長く仕上げることで、「足を揃える」とは茶の寸法を均一にすることである。
アシモミ(足揉み)
茶を蒸した後、蒸し芽を足で揉むこと。
アシヲオサエル(足を押さえる)
茶の寸法を短くすること。
アシヲソロエル(足を揃える)
茶の寸法を均一にすること。
アシヲナガクスル(足を長くする)
茶の寸法を長く仕上げること。
アジイシ(庵治石)
香川県庵治町、牟礼町に産する細粒黒雲母花崗岩を庵治石と言う。宇治石のあと茶臼に使われるようになった。
アソビ(遊び)
抹茶臼の芯木と上臼の供給口のすき間のこと。
アタマ(頭)
仕上げ工程で篩の上に残った形の大きい茶。抜頭、頭柳とも言う。
アタマハリ(頭はり)
自然仕立て園で、秋に延びすぎた茶株の天辺の芽を摘む(つまむ)こと。
アタマヤナギ(頭柳)
頭を参照
アタマオサエ(頭押え)
アタマヲオサエルに同じ。
アタマヲオサエル(頭を押さえる)
篩を廻してできた大きい茶(頭)を、手のひらと篩で小さくすること。
アタリ(あたり)
茶臼を目立てし芯木を換えた時、最初のうちは良く挽けるが暫らくするとパタッっと挽けなくなる事をアタリと云う。
アッセン(斡旋)
茶の売買の仲立ちをすること。
アテミホン(当て見本)
茶を仕入れる時に、多くの入札見本茶と比較するために、それまでに仕入れた茶の中から選んだ基準となる見本のこと。
アトムカシ(後昔)
徳川将軍家へ献上された碾茶のうち「青茶」に「後昔」という銘がつけられた。小堀遠州の命銘である。
アナツキ(穴突き)
覆下園の下骨で、なるを建てるために地面に穴を開ける道具。金突き、突き棒、ドン突き、ドウツキボウに同じ。
アナツキボウ(穴突き棒)
覆下園の下骨で、なるを建てるために地面に穴を開ける道具。金突き、突き棒、ドン突き、ドウツキボウに同じ
アブラカス(油粕)
菜種から油をしぼった菜種粕のこと。窒素成分の多い有機質肥料。
アブリ(焙り)
煎茶、玉露の「もみ」に対して、碾茶を製造することを「あぶり」という。
アブル(焙る)
碾茶を製造すること。
アミダイ(編台)
葦簀や菰簀を編む台のこと。コヤシマタとも言う。
アミメ(網目)
碾茶炉の下段の網が高温で焼けると、焙られた碾茶荒茶に網の目の焼け跡がつく。
アミヲハル(網を張る)
入札で、この価格でなら全部いただきますと全ての茶に同じ値段を入れること。
アメツルクモツキカゼ(雨鶴雲月風)
京都市に伝わる茶香服の入札の慣用句。
アラチャ(荒茶)
茶の生産家が工場で製造した茶のこと。仕上げ茶と違って本茶、茎、粉などが混じっている。
アラカンソウ(荒乾燥)
荒茶の加工で、あらかじめ乾燥すること。第1乾燥ともいう。
アラチャカエシヨリ(荒茶返し撰)
荒茶撰された荒茶をもう一度丁寧に撰ること。
アラチャジョウヨリ(荒茶上撰)
返し撰りされた荒茶をさらに丁寧に撰ること。
アラチャヨリ (荒茶撰)
焙炉場で焙られた碾茶荒茶を茶撰すること。
アラボネ(荒骨)
碾茶の太い茎のこと。どん骨とも言う。
アラミ(荒箕)
手製仕上げで、蔓切りのあと大箕で簸ること。
アラモミ(粗揉み)
手揉み製茶で下揉みのこと。
アラヨリ(荒撰)
一撰、骨黄撰と同じ。手製仕上げで、蔓切り、荒箕のあと荒骨と黄葉を手撰りすること。
アロマ(Aroma)
香気のこと。
アンコ(あんこ)
大海袋の荒茶の中身が、上と下で違うこと。
アンドン(行燈)
碾茶機械の冷却散茶機で、送風機の上につけられる5m~7mの装置、天井から吊るすものを蚊帳(かや)と言い、枠に張るものを行燈(あんどん)と言う。

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イ 

イケノオ(池の尾)
池の尾は宇治煎茶の産地であった。喜撰法師の住んだ喜撰山より「喜撰茶」「正喜撰」「池の尾」と呼ばれた。
イシウス(石臼)
石で出来た臼で、穀物などを粉末にする道具。
イシュウ(異臭)
茶以外の移り香のこと。
イセモミ(伊勢揉み)
宇治製法が伊勢に伝わり、伊勢で改良された手揉みの揉み方。片手葉揃え揉みのことだと思う。
イタコクリ(板こくり)
手揉みの仕上げ揉みにすり板を使った揉み方。
イタゴスリ(板ごすり)
手揉みの仕上工程で、炉縁に板を固定して両手でコクリ形状をつける。水沢村発祥。イタズリ同じ。
イタゴックリ(板ごっくり)
手揉みの仕上工程で、炉縁に板を固定して両手でコクリ形状をつける。水沢村発祥。板摺に同じ。三河地方の言い方。
イタズリ(板摺)
手揉みの仕上工程で、炉縁に板を固定して両手でコクリ形状をつける。水沢村発祥。
イタモミ(板揉み)
イタズリ、板摺に同じ。
イチゴイチエ(一期一会)
一生に一度しかない出会い。
イチバンシ(一番師)
手揉み製茶で、中揚げまでの力のいる工程を揉む焙炉師のこと。初心者が受け持った。
イチバンチャ(一番茶)
その年の最初に製造された茶のこと。
イチバンモミ(一番揉み)
手揉み製茶で、中揚げまでの力のいる工程のこと。初心者が受け持った。シナモミに同じ。
イチバンヨリ(一番撰)
イチヨリに同じ。
イチヨリ(一撰)
荒撰、骨黄撰と同じ。荒茶の茎を一回だけ簡単に撰った状態を一撰(いちより)と言う。昔は生産家が簡単な選別加工を行い一撰茶で取引されることもあった。
イチヨリチャ (一撰茶)
一撰された茶のこと。
イチョウ(萎凋)
生葉を萎らせる事。
イチバンコ(一番粉)
一番茶の製造過程ででた、水だし煎茶用の芽茶。徳島
イッキイッソウ(一旗一槍)
一芯一葉のこと。
イッコクウリ (一国売り)
江戸時代に、宇治の茶師が大名に許されてその大名の国全体の販売権を持ち、独占販売すること。
イッシンニヨウ(一芯二葉)
手摘みによる上級茶の摘採法。一芯四、五葉出た葉の一芯二葉を手摘みする。
イッチャ(一茶)
一番茶のこと。
イッチャハン(一茶半)
一番茶の時期に霜害を受けた茶園で、霜を受けていない遅れ芽と出直し芽を一番茶の時期に製造した物。
イップク(一服)
お茶を飲むこと。腰をおろして休息すること。
イッポンモノ (一本物)
茶が合組されてなくて、一つの畑の茶だけで仕上げた物。または同じ産地の茶だけで、他産地が合組されていない物を言う。ヒトスジモノ(一筋物)、ゾッキと同じ。
イノシシ(猪)
鼻が良く利く人のこと。
イブシシュウ(燻し臭)
燻り香に同じ。
イブリカ(燻り香)
京番茶製造の最終工程で釜で原料を炒る時に発生する茶を燻した香りのこと。
イボ(いぼ)
和束地方で、農小屋のこと。
イヤチ(嫌地)
同一の作物を長年栽培したとき、その作物に対して生育不良になった土地のこと。
イヤンタニ(湯屋谷)
宇治田原町湯屋谷は青製煎茶を作った永谷宗円の生誕地である。 ユヤダニが正式発音だが、イヤンタニとかヤンタニという人が多い。
イリニッキ(入日記)
昔は茶壷の木箱の蓋の裏に茶名、数量、日付、名前を書いた紙を貼った。 今は茶箱やダンボールのつまに記入される。
イレツケ(入着)
入札や相対と違って、生産家が毎年同じ畑の茶を同じ茶問屋に納める取引形態。
イロガワリ(色変わり)
茶が旬をすぎて硬くなり、葉の裏を表面にして製造されたもの。葉脈の筋が見え色も白色っぽい。おばはん。
イレフダ(入札)
茶香服で投札箱に入れる解答用の木札のことで、花鳥風月客などの銘が彫ってある。ナゲフダ、トウサツフダとも言う。
イロダシ(色出し)
イロツケに同じ。
イロツケ(色付)
三月から四月にかけてやる春肥(はるごえ)で、はやくやるのを「芽出し肥」と言い、晩くやるものを「色付け」と言う。
イロモノ(色物)
露地物に対して、碾茶、玉露、かぶせ、の覆下茶を色物(いろもの)と言う。
イワイ(祝)
江戸時代の袋茶に付けられた碾茶の銘で、白、むかしに次いで多く用いられている語句である。宇治の場所から付けた茶名で 宇治七名園の一つである。祝のほか宇文字、若森、一文字、戸の内、森、川下、朝日、奥山などの場所が使われている。
インキョホイロ(隠居焙炉)
製造した茶を完全に乾燥するために用いるややぬるい火の焙炉のこと。アゲロ、アゲホイロ(揚げ焙炉)、練(ネリ)焙炉、ホシボイロ(干焙炉)、ワキホイロ(脇焙炉)とも言う。
インザツ(印雑)
印度系雑種のこと。
インロウビツ(印籠櫃)
ふたの枠が箱の枠に重なるように作られた茶箱のこと。山城印籠櫃。

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ウ 

ウオジマ(魚島)
昔新茶の時期に魚が島になるほど大量に獲れた。その魚を茶見舞い(焙炉見舞い)に持っていった。
ウキハ(浮葉)
簸出箕や唐箕で飛ばされる茶の軽い部分。フワに同じ。
ウケチャ(受茶)
九州地方で、結納に使われる茶のこと。
ウジイシ(宇治石)
宇治川の宇治橋より2.5km上流でとれる石で茶臼にむく硬い石のこと。御影石の前は宇治石が使われていた。
ウジキントキ(宇治金時)
かき氷に金時豆をのせ、抹茶をかけた商品。
ウジシミズ(宇治清水)
抹茶にグラニュー糖などの甘味料を混ぜた飲み物。明治35年金沢市の米沢茶店が元祖。
ウジセイ(宇治製)
1738年、永谷宗円によって始められた製茶法。青製とも言う。
ウジチャセイホウ(宇治茶製法)
ウジセイに同じ。
ウジトオシ(宇治篩)
フルイに同じ。
ウジニンギョウ(宇治人形)
茶の木や茶の木の根を彫って作られた人形のこと。チャノキニンギョウに同じ。
ウジヒカリ(宇治光)
碾茶の品種。久世郡宇治町の中村藤吉氏の在来茶園から京茶研が選抜した。
ウジヒンシュ(宇治品種)
宇治在来より選抜された碾茶、玉露むきの品種のこと。あさひ、さみどり、ごこう、宇治光、駒影など。
ウジブルイ(宇治篩)
荒茶を仕立てるとき、茶の大きさを揃えるために使う。籐(トウ)で作ったものもあるが、多くは竹製である。一寸角の中にある網目の数でその篩の番を呼び、例えば五目のものを五番と呼ぶ。フルイに同じ。
ウジミ(うじみ)
宇治品種の宇治みどりのこと。
ウジミドリ(宇治みどり)
宇治品種の一つ。
ウスオレ(薄折)
碾茶の葉脈や葉柄など臼で挽けない硬い部分。昔の仕立てでは、同じ碾茶からお濃茶用とお薄用とドン骨、折、葉物、粉、屑に精選した。オレに同じ。
ウスチャ(薄茶)
碾茶のこと。
ウスハ(薄葉)
碾茶のこと。
ウスバ(臼場)
抹茶室のこと。
ウスボネ(薄骨)
碾茶の茎のこと。碾骨、骨に同じ。
ウスミズ(薄水)
ミル芽の茶の水色。黄色や緑色が薄い水色。
ウツリカ(移香)
茶に茶以外の香りがついたもの。
ウテカ(うて香)
茶が熟成してつくりだす甘い香りのこと。
ウテル(うてる)
茶が熟成すること。
ウドメ(ウド芽)
覆い下茶園の懐芽が、ほとんど日光を受けずに成長してウドのような黄色い芽になったもの。
ウマカ(旨香)
茶の旨みを感じさせる香りのこと。
ウマダシ(旨出し)
茶の旨み成分をみるための審査法。茶量を多く、湯量を少なく、湯温を低く、浸出時間を長くして旨みを審査する。
ウラジロ(裏白)
碾茶で、摘採が遅れて葉が大きく硬くなり蒸しが充分に通らなくなると、葉の染まりが悪くなり葉の裏が白っぽくなる状態。
ウラヲカグ(裏を嗅ぐ)
香気の審査で網サジに乗せた茶葉を嗅ぐ時に、網を立てて網の裏から上る香りを嗅ぐこと。
ウロコカタ(うろこかた)
江戸時代の宇治茶師が使っていた茶名。
ウワウス(上臼)
茶臼の上の部分で、中央に穴があり挽き手で回転する。
ウワガワキ(上乾き)
茶葉の内部には水分があるのに、表面が乾きすぎている現象。

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エ 

エイキューダナ(永久棚)
下骨を鉄棒やコンクリート柱で作ったもの。毎年こぼたなくて良いので永久棚と言った。
エビ(海老)
蒸熱不足のために茶葉が酸化して、葉の葉脈を中心に赤褐色に変色したもの。
エン(薗)
エンバタに同じ。
エンシュウ(煙臭)
茶についた煙の香りのこと。
エンセキ(遠赤)
遠赤外線を利用した乾燥機、火入機のこと。
エンソウ(園相)
茶園の状態。
エンドウ(煙道)
碾茶炉の火炉の熱を効率良く伝えるために碾茶炉の下部に設置される煙の抜け道のこと。
エンバタ(薗畑)
宇治では茶園を薗畑(えんばた)と言う。
エンフルイ(薗ふるい)
エンブルイに同じ。
エンブルイ(薗ぶるい)
茶摘みの前に茶の木をゆらして古葉を落とすこと。

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オ 

オイ(覆)
茶園に直射日光が当たらないように作られる棚に葦簾、菰、カンレイ紗をのせたもの。
オイゴエ(追肥)
一度やった肥料に追加してやる肥料のこと。
オイコボチ(覆こぼち)
碾茶園、玉露園の簀、藁を下ろし、下骨を解体する事。オオイトリ(覆とり)、オオイシマイ(覆仕舞)、コボチに同じ。
オイゴヤ(覆小屋)
覆いをするための材料であるナル、竹、葦簾、藁、縄などを入れておく小屋のこと。野小屋に同じ
オイシタ(覆下)
オオイシタに同じ。碾茶、玉露の栽培方法。
オイマワシ(追い廻し)
焙炉場で焙炉師の下働きをするオトコシのこと。追い廻されて、こき使われたのでしょう。
オイランチャ(花魁茶)
特徴が少なくて、どんな茶とも合組出来る茶のこと。バカッチャのこと。
オウコ(おうこ)
天秤棒のこと。
オウス(お薄)
お抹茶の点て方のひとつ。湯60~70mlに抹茶1.5g~2gを使用する。お濃茶に対して薄いので、お薄という。
オオイ(覆い)
覆(オイ)に同じ。
オオイカ(覆香)
覆いをすることによって作り出される香りのこと。ジメチルスルフィド。
オオイカケ(覆掛)
茶園に下骨をして、葦簀をのせ、藁を葺くこと。
オオイシタ(覆下)
碾茶、玉露の栽培方法。
オオイシタサイバイ(覆下栽培)
オオイシタに同じ。
オオイシタチャエン (覆下茶園)
碾茶、玉露用の茶園のこと。被覆茶園に同じ
オオイシマイ(覆仕舞)
碾茶園、玉露園の簀、藁を下ろし、下骨を解体する事。オオイトリ(覆とり)、オイコボチ、コボチに同じ。
オオイトリ(覆とり)
碾茶園、玉露園の簀、藁を下ろし、下骨を解体すること。オオイシマイ(覆仕舞)、オイコボチ、コボチに同じ。
オオイトリガマ(覆取鎌)
覆いこばちの時に、ナルと竹を結んだ荒縄を切るのに使う刃の小さい鎌のこと。首にかける紐が付いている。
オオカンゴ(おおかんご)
和束の言葉で、大きい籠のこと。シンドと同じ。
オオテモミ(大手揉)
大正10年頃によく使われていた製茶1貫匁位の大型の精揉機のこと。仕上げに時間がかかり、火力を強めるために品質が欠陥が多い。
オオハシリ(大走り)
走り新茶よりもっと前に作られた新茶のこと。
オオヒネ(大古)
2年前以上古い茶のこと。大古茶
オオヒヤシカゴ(大冷籠)
芽運びが茶畑よりシンドに入れて持って帰った生芽を保管する大きな竹製の平たい籠のこと。(幅4尺長さ6尺のもの)
オオブクチャ(大福茶)
茶に梅干しと結び昆布を混ぜたもの。無病息災を祈る正月の縁起物。皇服茶とも書く。
オオボネ(大骨)
碾茶のドン骨のこと。
オカモミ(岡揉み)
手揉みにおいて、茶葉を焙炉外に出し、張籠に入れて葉揃えし中切揉みをすること。
オガミモミ(拝み揉み)
分からない。
オクテ(晩生)
やぶきた品種より摘採期が遅い物を晩生(おくて)と言う。早い物を早生(わせ)と言う。
オクミ(おくみ)
茶の品種のおくみどりのこと。
オクレ(遅)
遅芽に同じ。
オクレメ(遅芽)
茶の摘採後に遅れて出てくる新芽のこと。
オサエガキカナイ(おさえが利かない)
覆いをしても、茶の葉がうまく染まらないこと。
オサエガキク(おさえが利く)
覆いをすることによって、茶の葉の染まりが良いこと。
オサエル(おさえる)
茶の仕上げで大きさを小さくすること。「頭をおさえる。」と使う。
オシ(押し)
センに同じ。
オシガキカナイ(押が利かない)
センガキカナイに同じ。
オシガキク(押が利く)
何煎もおいしいこと、味が落ちないこと。センガキクに同じ。
オシキ(折敷)
食器を載せる食台の一種で、四角でその周囲に低い淵を付けたもの。茶を薄く折敷に入れ茶撰箸で茶を撰った。
オセッタイ(お接待)
四国88ケ所を歩いてまわるお遍路さんに、無料でお茶や菓子類を差しげること。徳島神山町12番札所焼山寺は難所(遍路ころがし)であり、接待所が数多くある。
オゾイ(おぞい)
茶に新鮮さ若さがなく、大型で硬葉化した様子。
オチャコ(お茶子)
劇場や寄席の女性の案内係のこと。
オチャシ(御茶師)
もともとは、江戸時代宇治で碾茶の製造にかかわる人のこと。チャシに同じ。
オチャダイ(お茶代)
心づけ。チップ。
オチャツボドウチュウ(御茶壷道中)
江戸時代、将軍御用の宇治碾茶を茶壺で江戸へ運ぶ行列のこと。「茶壺に追われて戸ピンシャン」。チャツボドウチュウに同じ。
オチャドコロ(御茶所、御茶處)
江戸時代のお茶の小売店のこと。
オチャニスル(お茶にする)
仕事の途中の小休止。
オチャノコサイサイ (お茶の子さいさい)
腹にたまらないこと。転じて物事がたやすいこと。
オチャノミバナシ(お茶飲み話)
世間話。
オチャバ(お茶場)
お茶を再製加工する工場のこと。
オチャメ(お茶目)
子供っぽい、滑稽ないたずらをすること。
オチャヲイレル(お茶を入れる)
いいかげんなことで、その場をごまかす。
オチャヲニゴス(お茶を濁す)
あいまいにする。
オチャッピキ(お茶っ挽き)
オチャヲヒクに同じ。
オチャヲヒク(お茶を挽く)
客がつかないで暇な様子。客がつかない女郎が抹茶を挽かされた。
オツメ(お詰)
茶壺にお茶を詰めた茶師、茶店の名前のこと。末客のこと。
オトオリオチャシ(御通御茶師)
御茶師三仲ケ間の一つで、本能寺の変で堺より三河へ帰る徳川家康の道案内をしたとされる茶師が始まりである。
オトコシ(男衆)
茶生産家や茶問屋で下働きをした男性の呼び方。
オトコムスビ(男結び)
下骨や茶櫃を荒縄でくくる時の結び方。
オトコラシイチャ(男らしい茶)
丸揉みで艶がありずっしり重たい茶のこと。
オトシ(落し)
茶の合組の時、香、味、色を落とさないで、値段だけを落すのに使われる茶のこと。
オドル(踊る)
薄葉に骨や葉脈、葉柄が混じっていると、茶臼がスムースに回らずゴトゴト回ることを「茶臼が踊る」と言う。
オナゴシ(女衆)
茶生産家や茶問屋で下働きをした女性の呼び方。
オニモジュウハチバンチャモデバナ(鬼も十八番茶も出花 )
番茶も淹れたてはおいしい。
オバハン(おばはん)
茶葉が旬を過ぎて硬化し、葉の裏を表面にして製造されたもの。葉脈の筋が見え色も白っぽく見える。色変わり
オフクロオチャシ(御袋お茶師)
御茶師三仲ケ間の一つで、大阪夏の陣の戦勝祝に新茶2袋ずつを献上したとされる茶師より始まった。
オヤ(親)
合組の中心になるお茶のこと。
オヤチャ(親茶)
オヤに同じ。
オヤコ(親子)
刈り直しで、古葉と新葉の混じった茶のこと。古葉が親で新葉が子である。ほうじ茶の原料になる。親子番、タクリに同じ
オヤコバン(親子番)
親子(オヤコ)に同じ。
オリ(澱)
茶を茶碗に浸出した時、茶碗の底に沈むもの。
オリヅミ(折摘)
手摘み法のひとつ。親指と人差し指で茶の茎を折って摘む。碾茶の手摘みに多く用いられる。
オレ(折)
碾茶の葉脈や葉柄など臼で挽けない硬い部分。昔の仕立てでは、同じ碾茶からお濃茶用とお薄用とドン骨、折、葉物、粉、屑に精選した。
オレイゴエ(お礼肥)
製茶後に茶園にやる肥のこと。
オレタカ(折鷹)
折の商品名。鷹の爪、友白髪、雁音、白折など。
オレバ(折れ葉)
碾茶の製造で、一枚の葉が葉の主脈を折れ目として、葉の表面を内側にして密着して乾燥されたもの。
オレモノ(折物)
碾茶の葉脈や葉柄など臼で挽けない硬い部分。昔の仕立てでは、同じ碾茶からお濃茶用とお薄用とドン骨、折、葉物、粉、屑に精選した。オレに同じ。
オロ(おろ)
徳島県上勝町地方で使われている言葉。茶の茎のこと。
オロシ(卸)
茶を直接消費者に売らないで(小売)、小売店に売ること。
オロシドンヤ(卸問屋)
卸をする茶問屋のこと。
オンドトリ(音頭とり)
茶の木の天辺で勢いよく伸びた茶の枝のこと。

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