お茶の用語辞典 タ行

ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 

ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 


タ▼ チ▼ ツ▼ テ▼ ト▼


 

ダイオロシ(台おろし)
茶の木を地上20cmくらいに刈り落とすこと。台刈りに同じ。
タイカイ(大海)
紙で作った大きな袋。おもに荒茶に用いる。昔は和紙(大海紙)を用い柿渋を塗ったが、今日では、クラフト紙の二重袋で間にポリエチレン袋が入っている。大海袋。ダイカイ、タテ、建袋と同じ。
ダイカイ(大海)
タイカイ、タテに同じ。大海袋
ダイガリ(台刈)
茶の木を地上20cmくらいに刈り落とすこと。
ダイガリバサミ(台刈バサミ)
台刈に使用するハサミのこと。
タイコ(太鼓)
丸胴の回転式乾燥機をその形状からタイコという。
タカノツメ(鷹爪)
江戸時代に碾茶の袋茶に付けられた茶銘である。若い茶葉を碾茶に焙ると一芯二、三葉の一芯が鳥の鷹の爪のような形に出来上がるので、若い極上の碾茶に鷹爪という銘が付けられるようになった。
後の時代になると碾茶の折れや玉露の折れの茶銘に格下げして用いられるようになった。
タクリ(手繰)
刈り直しで、古葉と新葉の混じった茶のこと。ほうじ茶の原料になる。親子番、タクリに同じ親子番茶に同じ。
タケダシキ(竹田式)
大正8年に小倉村の西村庄太郎と静岡市の竹田好太郎が考案し使用された碾茶機械で6台作られた。
タケノミドリ(竹の緑)
碾茶の色沢を表す言葉。竹の葉のようにやや黄色がかった緑色を言う。山手の碾茶に多い。松の緑
タケカ(長香)
旬をはずれて大型で硬くなった茶の香りのこと。
タケメ(長芽)
旬をはずれて大型で硬くなった茶の芽のこと。
タケル(長ける)
旬をはずれて大型で硬くなること。
タコヤキ(たこやき)
茶香服で、亭主が急須から茶碗に茶を注ぐ時、湯を一々切らないでタコヤキのように注ぐこと。
ダスコイ(だすこい)
茶の味が薄いこと。徳島神山町
タチボウチョウ(裁ち包丁)
桶出しの時に、15cm平方に切る包丁。高知大豊町
タツテハゾロエモミ(立手葉揃揉)
伊勢の岩吉が明治初年に伝えた手揉手法。片手まくり。
タテ(建)
紙で作った大きな袋。おもに荒茶に用いる。昔は和紙(大海紙)を用い柿渋を塗ったが、今日では、クラフト紙の二重袋で間にポリエチレン袋が入っている。大海袋に同じ。建袋
タテギリ(縦切り)
茶の仕上げで、抜き頭を縦に1ミリ幅くらいに切断すること。
タナ(棚)
碾茶園や玉露園の棚式覆いのことを直(じか)に対して棚という。葦簾、藁を本簾(ほんず)という。
タナオオイ(棚覆い)
碾茶園や玉露園の棚式覆いのことを直(じか)に対して棚という。葦簾、藁を本簾(ほんず)という。
タナカン(棚乾)
棚式乾燥機のこと。
タナジョタン(棚助炭)
棚焙炉に使用する助炭のこと。ヒキダシジョタン(引出し助炭)に同じ
タナホイロ(棚焙炉)
碾茶を煉り乾燥するのに使用する棚式の焙炉で、棚助炭が七段位棚になっている。
ダマ(玉)
抹茶を点てるとき、抹茶が湯に溶けず丸く固まった状態をいう。
タマトキ(玉解)
茶の製造中にできる玉(茶の塊り)を解く作業をいう。
タマトキモミキリ(玉解揉切)
タマトキに同じ。
タマメ(玉芽)
大型で玉のように丸い芽茶のこと。
タマリョクチャ(玉緑茶)
煎茶、玉露の伸茶(のびちゃ)に対して、蒸し製玉緑茶、釜炒り製玉緑茶をその形状からグリ茶、グリと言う。ヨンコン(よんこん)と同じ
ダラ(だら)
人糞のこと。
タレ(垂)
側幕、垂菰のこと。
タレコモ(垂菰)
覆い下園で下骨をした茶園の周囲に垂らす菰のこと。
タレシバキ(垂しばき)
茶園の周囲に垂らした垂菰や側幕が風にあおられないように付ける古竹のこと。
タレベリ(垂べり)
側幕、垂菰のこと。
ダンゴ(団子)
ミノムシと同じ。茶の葉が一本一本揉まれないで、蓑虫のように塊りになったもの。二番茶に多い。
タンシュウ(反収)
一反(10a)当たりの収穫量。
タンニン(タンニン)
茶の渋みの成分。

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チ 

チギ(ちぎ)
棒はかりのこと。摘み娘さんが茶摘み籠に摘んだ新芽を掛け籠に入れ、四貫ちぎで目方を計った。
チャアワセ(茶合わせ)
飲みくらべ。
チャイレ(茶入)
抹茶を入れる陶磁器製の茶器のこと。
チャイロ(茶色)
番茶や焙じ茶の水色。茶色は緑色ではありません。
チャイチバ(茶市場)
お茶の荒茶を生産者より集めて茶業者に入札販売する場所。(チャシジョウに同じ)
チャウケ(茶請け)
茶を喫する前に食べる菓子のこと。通常濃茶には生菓子、薄茶には干菓子を用いる。
チャウス(茶臼)
抹茶を挽く石臼のこと。古くは唐臼でその後宇治石が使われ、現在では御影石(花崗岩)でつくられる。女性上位。テンガイ(碾凱)、チャマ(茶磨)、ヒキウス(挽臼)に同じ。
チャエン(茶園)
茶の木を栽培している畑のこと。茶畑に同じ。
チャオケ(茶桶)
茹でて揉んだ葉を詰め、発酵させるための桶。徳島上勝町
チャカ(茶菓)
茶と菓子のこと。
チャガアル(茶がある)
何となく詫びた趣があること。
チャカイ(茶会)
茶の湯の会のこと。
チャガシ(茶菓子)
茶を飲みながら食べる菓子のこと。
チャカス(茶滓)
茶を煎じた後の茶葉のこと。茶殻に同じ。
チャカス(茶化す)
ひやかすこと。からかうこと。ごまかすこと。
チャガマ(茶釜)
茶を煮出すのに使う釜のこと。茶の湯で湯を沸かす釜のこと。
チャガユ(茶粥)
茶を煎じた汁で煮たお粥のこと。
チャガラ(茶殻)
茶を煎じた後の茶葉のこと。茶滓に同じ
チャガワラウ(茶が笑う)
茶がしっかり揉めていないこと。
チャカブキ(茶香服)
茶を飲んでその茶の産地や等級や種類を当てる競技。闘茶、茶闘(ちゃくら)べに同じ。
チャカリバサミ(茶刈りバサミ)
茶摘みに使用する手刈り用の茶バサミのこと。
チャカン(茶缶)
茶を入れるブリキ製容器のこと。茶筒に同じ。
チャキ(茶期)
一番茶、二番茶、三番茶、など茶の製造時期のこと。
チャキョウ(茶経)
唐の陸羽が著した茶の学術書のこと。
チャギョウセイネンダン(茶業青年団)
茶業に携わる45歳以下の青年の組織。京都では生産者と茶業者が一体となった組織である。
チャキリ(茶切)
焙炉のうえで、蒸された生芽を両手ですくい上げ蒸し露をとる作業。露取、露切、葉切に同じ。
チャクショクチャ(着色茶)
明治時代に海外輸出される茶は中国に倣って着色料で着色された茶が多かった。着色してない茶を無色茶と言った。
チャクラベ(茶闘べ)
茶を飲んでその茶の産地や等級や種類を当てる競技。茶香服、闘茶に同じ。
チャケン(茶研)
茶業研究所のこと。
チャゴウ(茶合)
茶の量を計るもの。煎茶用は竹を割ったものが多い。
チャコシ(茶漉し)
茶の汁を漉して茶殻を取る、柄のついた小さな網のこと。
チャコナシ(茶こなし)
茶を仕上げること。茶を仕上げる男衆(おとこし)のこと。
チャサジ(茶匙)
茶杓のこと。紅茶、コーヒーなどに使う小さなスプーンのこと。
チャシ(茶師)
もともとは、江戸時代宇治で碾茶の製造にかかわる人のこと。
チャシツ(茶室)
茶会に使う小さな部屋のこと。
チャシジョウ(茶市場)
お茶の荒茶を生産者より集めて茶業者に入札販売する場所。チャイチバに同じ。
チャシブ(茶渋)
急須や茶碗にしみついた茶汁のあかのこと。
チャジマイ(茶じまい)
製茶を終わること。
チャシャク(茶杓)
抹茶をすくう匙のこと。竹製が多い。
チャジュ(茶寿)
108歳の誕生祝いのこと。
チャジン(茶人)
茶の湯を好む人。茶道に通じている人のこと。
チャスリキ(茶摺り機)
舟形で、櫓を向かい合った二人が引き合い、葉を摺る器械。底には棕櫚で編んだ網が敷かれている。徳島上勝町
チャセキ(茶席)
茶会の部屋のこと。茶を点てる席のこと。
チャセン(茶筅)
抹茶を点てるときに使う竹製のささら風の用具のこと。中国宋代に創られた。
チャソ(茶素)
カフェインのこと。
チャソ(茶祖)
中国では陸羽を指し、日本では栄西禅師をいう。
チャソウキョウ(茶桑経)
栄西禅師が著した「喫茶養生記」のこと。
チャソロエ(茶揃)
茶を仕上げること。揉み切りのこと。
チャダイ(茶代)
茶店などの休憩料。心づけ、チップのこと。
チャタク(茶托)
茶碗をのせる小さな小皿のこと。
チャダシ(茶出し)
急須の別名。
チャダチ(茶断ち)
神仏に願いを掛けて、満願まで茶を飲まないこと。
チャダナ(茶棚)
茶道具を載せておく棚のこと。
チャダンス(茶箪笥)
茶器や食器をなどを入れる棚のついた戸棚のこと。
チャダル(茶樽)
農作業の際に、飲料のお茶を入れる木製の容器。
チャダル(茶樽)
茹でて揉んだ葉を詰め、発酵させるための樽。徳島上勝町
チャタワラ(茶俵)
俵に茶を詰めたもの。高知大豊町
チャチャ(茶茶)
妨げ、じゃま。「茶茶を入れる。」と使う。
チャチャクル(茶茶くる)
男女がひそかにたわむれること。
チャチャホウチャ(茶茶ほうちゃ)
無分別なさま。だいなしにするさま。
チャチャヲイレル(茶茶を入れる)
じゃまをする。ひやかすこと。
チャヅケ(茶漬け)
お茶を飯にかけて食べること。
チャッコウ(着香)
茶に茶以外の香りをつけること。
チャヅツ(茶筒)
茶を入れるブリキ製容器のこと。茶缶に同じ。
チャツボ(茶壺)
茶の保存に使用する壺のこと。茶櫃(缶櫃)が出来るまでは、茶壺の使用が多かった。信楽焼が多かった。
チャツボドウチュウ(茶壺道中)
江戸時代、将軍御用の宇治碾茶を茶壺で江戸へ運ぶ行列のこと。「茶壺に追われて戸ピンシャン」
チャツボニサレタ(茶壺にされた)
二人で茶を争っているうちに仲裁者に持ち去られてしまった。
チャツミ(茶摘み)
茶を手摘みすること。
チャツミウタ(茶摘み歌)
茶摘みの時にうたう歌。
チャツミカゴ(茶摘み籠)
茶摘みで摘んだ新芽を入れる籠のこと。ツミカゴ(摘み籠)に同じ
チャツミニンギョウ(茶摘み人形)
チャノキニンギョウに同じ。
チャドオシ(茶通し)
茶の切断、葉揃に用いる茶篩のこと。茶を仕上げる男衆(おとこし)のこと。
チャドコロ(茶所)
茶の名産地のこと。
チャトンビ(茶トンビ)
サイトリのこと。生産家の茶を問屋に斡旋して、双方より歩一(売り上げの1%)をもらう。商いのおいしい所を頂くので、「トンビに油揚げ」からトンビ、茶トンビと言われた。
チャドンヤ(茶問屋)
お茶の卸売業者のこと。
チャニスル(茶にする)
一休みすること。仕事を休憩して茶を飲むこと。はぐらかすこと。
チャニヨッタフリ(茶に酔ったふり)
知っていても知らないふりをすること。
チャノキニンギョウ(茶の木人形)
茶の木や茶の木の根を彫って作られた人形のこと。
チャノコ(茶の子)
法事や仏事につかう贈り物のこと。
チャノマ(茶の間)
家族が食事をしたり、くつろいだりする部屋のこと。
チャノミ(茶飲み)
茶を飲む小さな茶碗のこと。茶を良く飲む人のこと。
チャノミ(茶の実)
品種が選抜される以前、茶は茶の実によって繁殖しました。これを実生と言います。昔は茶の実から油を採りました。
チャノミグサ(茶飲種)
世間話。雑談。
チャノユ(茶の湯)
茶道、茶会のこと。
チャバコ(茶箱)
茶を保存するための木箱のこと。チャビツに同じ。
チャバサミ(茶鋏)
茶の新芽の摘採に用いる鋏。
チャバシラ(茶柱)
番茶を注いだときに茎が茶碗の中に浮かんで直立する事を茶柱が立つという。縁起が良いこと。
チャバシラガタツ(茶柱が立つ)
チャバシラに同じ。
チャバタケ(茶畑)
茶の木を栽培している畑のこと。チャエンに同じ。
チャバナシ(茶話)
のんびりと気楽な話。
チャバラ(茶腹)
お茶で腹を膨らすこと。茶腹も一時。
チャバラモイットキ(茶腹も一時)
わずかばかりのものでも一時しのぎになる。
チャバン(茶番)
茶番劇の略。底の見えすいた馬鹿げたふるまいのこと。
チャバンゲキ(茶番劇)
チャバンに同じ。
チャビツ(茶櫃)
茶を保存するための木箱のこと。茶箱と同じ。
チャビン(茶瓶)
茶を煎じ出す土瓶、薬缶のこと。
チャビンアタマ(茶瓶頭)
禿頭のこと。
チャブクロ(茶袋)
茶の葉を入れておく紙袋のこと。茶の葉をいれて煮だす布袋のこと。チャンブクロに同じ
チャブダイ(卓袱台)
脚の低い食卓台のこと。
チャホ(茶舗)
茶を売る店のこと。
チャボウズ(茶坊主)
昔、武家で茶の湯をつかさどった役のひと。権力者にへつらう者を卑しめていうことば。
チャボン(茶盆)
茶碗などを載せる盆のこと。
チャマ(茶磨)
抹茶を挽く石臼のこと。古くは唐臼でその後宇治石が使われ、現在では御影石(花崗岩)でつくられる。女性上位。テンガイ(碾凱)、チャウス(茶臼)、ヒキウス(挽臼)に同じ。
チャマル(茶丸)
俵に茶を詰めたもの。高知大豊町
チャミセ(茶店)
道端などで客に茶菓を出して休息させる店のこと。
チャミマイ(茶見舞い)
茶の製造が始まると問屋は茶生産家へ茶見舞いを持っていく。ホイロミマイ(焙炉見舞い)に同じ
チャムシバシ(茶蒸箸)
茶籠の中の茶葉を攪拌するのに使用する箸のこと。桐材で作る。
チャムリエ(茶ムリエ)
茶とソムリエを組み合わせた造語。
チャメ(茶目)
こっけいでいたずらっぽいこと。
チャメシ(茶飯)
茶の汁で炊いたご飯のこと。
チャモミイタ(茶揉み板)
冷や揉み用の用具で、竹を割いて縦軸とし藁縄を横軸として編み上げたもの。茶揉みゴザ、茶揉み台とも呼ばれる。モミバンに同じ。
チャモミゴザ(茶揉みゴザ)
冷や揉み用の用具で、竹を割いて縦軸とし藁縄を横軸として編み上げたもの。茶揉み板、茶揉み台とも呼ばれる。モミバンに同じ。
チャモミダイ(茶揉み台)
冷や揉み用の用具で、竹を割いて縦軸とし藁縄を横軸として編み上げたもの。茶揉み板、茶揉みゴザとも呼ばれる。モミバンに同じ。
チャヤ(茶屋)
茶の販売をする店のこと。「お茶屋」と区別する。
チャヤスミ(茶休み)
製茶の時期に小中学校で農繁休暇を与え、茶業の手伝いをさせること。
チャヤマ(茶山)
茶園のこと。
チャヨウ(茶葉)
茶の葉のこと。「ちゃば」と読まずにちゃんと「ちゃよう」と読みましょう。
チャヨリ(茶撰)
茶の茎や黄葉を手で選り分けること。ヨリ(撰)に同じ
チャヨリアイ(茶寄合)
南北朝時代、バサラ大名たちは茶寄合で闘茶を行った。
チャヨリコ(茶撰女)
茶撰をする女性のこと。ヨリコに同じ。
チャヨリバ(茶撰場)
茶を手撰りする場所のこと。
チャヨリバシ(茶撰箸)
茶をまなげるときに使用する竹製の箸のこと。マナゲバシ(まなげ箸)に同じ
チャリ(茶利)
滑稽な文句や動作のこと。冗談
チャル(茶る)
滑稽な動作をすること。ふざける。おどける。
チャヲイウ(茶を言う)
からかう。ひやかすこと。
チャヲオクル(茶を贈る)
えらい人への貴重な贈り物。
チャヲオル(茶を折る)
茶を仕上げること。
チャヲニゴス(茶を濁す)
いい加減にその場を繕ってごまかすこと。
チャヲヒク(茶を挽く)
仕事が暇なこと。客がつかないこと。
チャンブクロ(茶袋)
茶の葉を入れておく紙袋のこと。茶の葉をいれて煮だす袋のこと。チャブクロに同じ。
チャンポン(ちゃんぽん)
合組前の茶の取り合わせのこと。
チュウジュウキ(中揉機)
緑茶製造で揉捻機の次に使う機械のこと。ナカモミ機に同じ
チョイカブセ(ちょい冠せ)
3,4日被せた茶のこと。
チョウチョウバン(蝶々番)
九州地方で、新芽と古枝を刈り取り釜炒りして日干して生産した下級番茶のこと。かがり
チョット(ちょっと)
茶香服で0点を取ること。
チョーバ(帳場)
事務所のこと。帳簿のある場所の意。
チラシデングリモミ(散らし転繰揉)
デングリ揉みの前半部分で、あまり力をかけずに大振りの手使いで手早く散らし揉みをする。
チラシモミ(散らし揉み)
焙炉一面に葉を散らして柔らかに中切揉みを葉揃して揉なり。
チラシナカギリモミ(散らし中切揉)
チラシモミに同じ。
チリツケデングリ(ちりつけ転繰)
明治12年頃に三重県南勢地方で起こった手揉の技法で、南勢流と云う名で静岡でも流行した。
チリチリ(ちりちり)
茎の皮のこと。製茶時期が進むと茎が硬化し、製造時に茎から皮がはがれる。シノカワに同じ。
チリフルイ(ちりふるい)
本簀で藁ふきのあと茶園の上にたくさんの藁屑が落ちているのでそれを振い落とすこと。
チンサ(沈査)
茶碗の底にたまる沈殿物のこと。
チンヅミ(賃摘)
茶摘み子さんの賃金で日給のもの。摘んだ目方で支払うのをメヅミ(目摘)と言った。
チンビキ(賃挽)
代金を払って抹茶を挽いてもらうこと。
チンモミ(賃揉)
代金を払って煎茶、玉露を製茶してもらうこと。

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ツ 

ツウシンハンバイ(通信販売)
ツウハンに同じ。
ツウハン(通販)
茶の通信販売のこと。明治25年(1892年)に綴喜郡草内村の古川専太郎が始めた。
ツキボウ(突き棒)
覆下園の下骨で、なるを建てるために地面に穴を開ける道具。穴突き、ドン突き、金突き、ドウツキボウに同じ
ツキヤマシキ(築山式)
大正14年伏見町の築山甚四郎によって考案された電熱線を利用する碾茶機械のこと。
ツキネリ(突き練り)
手揉み製茶で、横まくりの後半部分の動作で、助炭の上で新芽を力を加えて強く転がし揉むこと。この時、前後に回転するのを突き練りと云う。
ツチノコ(つちのこ)
葦簀(よしず)や菰を編むときに縄の先に重石としてつける木のこと。ツノコに同じ
ツッコミ(突込み)
茶の値段を一品一品付けるのではなく、そこにある何品か全体を纏めて値段を付けること。
ツッパリ(突っ張り)
覆下茶園の下骨で、下骨の補強用にはすかいに立てる杭のこと。ノシとも言う。
ツヅミモミ(鼓揉み)
葉を両手に掴み、中指に力を入れ前へ引き、小指人差し指にて上へ下にひき、数度の揉合によりて、自ら葉の上下に抜け出づるなり。凡て中切揉みは葉の後先に締りよく、美(きれい)になすの効用あるものなり。中切揉みに同じ。
ツメチャ(詰茶)
茶壺の中央に「袋茶」を入れ、その周囲に薄茶用の碾茶を茶壺いっぱいに詰める。これを詰茶を言う。ワキズメ(脇詰)に同じ
ツノコ(つのこ)
葦簀(よしず)や菰を編むときに縄の先に重石としてつける木のこと。ツチノコに同じ。
ツミウリ(摘み売り)
摘み取った生葉を自分で製茶しないで、生葉のまま製造業者に販売すること。ハウリに同じ。
ツミカゴ(摘籠)
茶摘みで摘んだ新芽を入れる籠のこと。チャツミカゴ(茶摘み籠)に同じ。
ツミコ(摘女、摘娘)
茶摘をする女性のこと。
ツミコフダ(摘女札)
貫匁の書かれた小さな木札で、茶摘女が摘んだ貫数に応じて雇い主より受け取るもの。ツミフダに同じ。
ツミチン(摘み賃)
摘み女が受け取る賃金のこと。芽摘みと日傭があった。
ツミツケ(摘付)
新枝脇の芽のこと。
ツミフダ(摘札)
貫匁の書かれた小さな木札で、茶摘女が摘んだ貫数に応じて雇い主より受け取るもの。ツミコフダ(摘女札)に同じ。
ツユキリ(露切)
焙炉のうえで、蒸された生芽を両手ですくい上げ蒸し露をとる作業。露取、茶切、葉切に同じ
ツユトリ(露取)
焙炉のうえで、蒸された生芽を両手ですくい上げ蒸し露をとる作業。露切、茶切、葉切に同じ。
ツユビキ(露引)
露に濡れた生葉や、雨に濡れた生葉を摘採したとき、その重量から水分引きすること。
ツユメ(露芽)
雨に濡れた茶の芽のこと。
ツルキリ(蔓切)
目の荒い篩で、荒茶を入れゆらしながら茶を手のひらで撫でつけるようにして茶と茎を分けること。
ツルキリトオシ(蔓切篩)
ツルキリに使う目の粗い篩のこと。竹ではなくて、藤の蔓で作られていた。蔓で茶を切るので「つるきり」と言われる。

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テ 

テ(手)
ハサミ刈りの「カリ」に対して、手摘みを「テ」という。
テアニン(テアニン)
酒戸博士が研究分析した茶特有のアミノ酸。
テアワセモミ(手合揉み)
茶葉を成るべく揃えて左の手を助炭の縁に付け、右の手にて横揉みをなす。
テイシュ(亭主)
茶香服の煎じ手の事を亭主と言う。
テイスト(Taste)
味のこと。
テイメイエン(蹄茗園)
明恵上人が蹄の跡に茶の実を植えたという宇治茶発祥の茶園のこと。
テキサイ(摘採)
茶芽を摘むこと。
テキムシ(適蒸)
その生芽に合った蒸度合のこと。碾茶では生芽と蒸機の条件にもよるが11秒から15秒が良い。
デジュン(出順)
茶香服の正解答の順番を出順と言う。お茶の出た順番のこと。
テッキュウ(鉄弓)
焙炉の助炭の下に並べる鉄製の棒のこと。テッキュウによって助炭の上で力を入れて揉めるようになった。
テッキョウ(鉄橋)
焙炉の助炭の下に並べる鉄製の棒のこと。テッキュウによって助炭の上で力を入れて揉めるようになった。テッキュウ、テツボウに同じ。
テヅケ(手付け)
新茶の前になると摘女さんに「今年もうちで摘んでください。」と手拭と少々のお金を渡した。引き手さんに頼むことが多かった。
テヅミ(手摘み)
茶の新芽を手で摘むこと。
テツボウ(鉄棒)
焙炉の助炭の下に並べる鉄製の棒のこと。テッキュウによって助炭の上で力を入れて揉めるようになった。
テッキュウに同じ。
テツジョタン(鉄助炭)
テツホイロに同じ。
テツホイロ(鉄焙炉)
明治時代に静岡で使われた紙の代わりに鉄板を張った助炭を使った焙炉のこと。これに対して普通の焙炉を紙焙炉と言う。
テズレ(手擦れ)
荒茶を多くの人が触ることによって、荒茶が細かくなって元の姿や香りが分かりづらくなること。
テハジメ(手始め)
茶摘みを始めること。茶摘みの初日のこと。
テバサミ(手バサミ)
手動の茶刈バサミのこと。
デバナッチャ(出端茶)
新茶の出始めの茶のこと。
テビキウス(手挽臼)
上臼を手で廻して抹茶を挽く小型の茶臼のこと。
デビラキ(出開)
茶芽が完全に開葉して、それ以上伸びないこと。開葉する芯芽のない状態。
テマエ(点前)
抹茶を点てること。
テマガエ(手間がえ)
茶摘みを家ごとに手伝うこと。徳島。
デモノ(出物)
荒茶を仕上げて出来る本茶以外の物。茎、粉、頭、屑などをいう。
テモミ(手揉み)
茶を手で揉むこと。(葉打ち、ころがし、つきねり、たまとき、よりきり、でんぐりもみ、こくり)
テヨリ(手選り)
茶の茎を手で選ること。
テンカイチ(天下一)
明治9年に富士の野村方で漢人、赤堀が創始した手揉製法。形状が針のように細く、海外輸出用に横浜で高値で売れた。
テンガイ(碾凱)
抹茶を挽く石臼のこと。古くは唐臼でその後宇治石が使われ、現在では御影石(花崗岩)でつくられる。女性上位。チャマ(茶磨)、チャウス(茶臼)、ヒキウス(挽臼)に同じ。
デンキボウトリキ(電気棒取機)
電機選別機の事。昭和10年に宇治の服部善一が発明した。デンセンに同じ。
デングリ(転繰)
手揉みの仕上げ揉みで、葉揃いと加圧で形を整え針状に伸ばす動作のこと。
助炭を利用して行う揉切り法の一種で、茶の形状を整え、針状に伸ばす。
炉上の葉を一纏めとして両手を以て一握りとなし、助炭の上へ擦り付けて強く揉む者にして、掌(てのひら)外へ逃れ出る者は取り纏めつつ搓揉し、揉捻するに従いゾロゾロ掌外へ逃出するを度として炉上に散布し乾燥すべし。
形状に重きを置き締めすぎると、むれ気を生じ鮮緑を欠き香味を損じる。
テンコ(てんこ)
露切りした茶葉を両手の中にいれ、助炭面を大きく転がしながら、少しずつ力を加えて揉むこと。横まくりと同じ。
デンセン(電選)
電機選別機の事。昭和10年に宇治の服部善一が発明した。
テンチガエシ(天地返)
茶園の表面の土と地中の土をひっくり返すこと。
テンチゴウ(天地合)
同じくらいの価格、品質の茶を合するのではなく、上下離れた価格、品質の茶を合すること。
テンチャ(碾茶)
揉まないで、そのまま乾かした茶のこと。抹茶の原料。
テンチャホイロ(碾茶焙炉)
手製で碾茶を焙る焙炉のこと。揉み茶用の焙炉よりやや大きく、焙炉部屋自体が乾燥室になっている。
テンチャロ(碾茶炉)
耐火レンガで造られた機械式の碾茶乾燥機のこと。全国の碾茶炉は全て堀井式である。
テンネンギョクロ(天然玉露)
品種の「あさつゆ」のこと。覆いをしなくても水色、外観が濃緑色で旨味が強い。芋くさい香りである。
テンピボシ(天日干)
日光で茶を乾燥すること。
テンビンボウ(天秤棒)
肥桶やしんどを棒の前後にかけて同時に運ぶための棒のこと。
デンボウ(電棒)
電選で選られた茎茶のこと。
テンボネ(碾骨)
碾茶の茎のこと。骨、ウスボネに同じ。
テーブルガイ(テーブル買)
静岡茶市場で一つのテーブルに並んだ見本茶を全て纏めて買うこと。大手の買い方。
テーブルガタ(テーブル型)
茶園の姿は、饅頭型から蒲鉾型になり、乗用が多くなってテーブル型になった。
テーミツ(手三つ)
茶の値段交渉が成立した時、売り手と買い手が手を三つ打って交渉成立の印とすること。シャンシャンシャンに同じ。

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ト 

トウキシキ(透気式)
棚式乾燥機で、棚に網を張ったもの。
トウサツバコ(投札箱)
茶香服で入札を入れる木箱のこと。
トウサツフダ(投札札)
茶香服で投札箱に入れる解答用の木札のことで、花鳥風月客などの銘が彫ってある。トウサツフダ、ナゲフダ、イレフダに同じ。
トウセイシキキカイ(統制式機械)
昭和初期、京都にも製茶機械が多数導入されたが、宇治茶の品質低下原因になる不良機械が多かった。この不良機械を宇治茶に合った統制型機械に機械に入れ替える事業が昭和6年より実施された。
トオス(通す)
茶香服で皆点(カイテン)を取ること。
トオシ(篩)
荒茶を仕立てるとき、茶の大きさを揃えるために使う。籐(トウ)で作ったものもあるが、多くは竹製である。一寸角の中にある網目の数でその篩の番を呼び、例えば五目のものを五番と呼ぶ。フルイと同じ。
トオシトリ(篩取)
蒸しあがった蒸篩を受け取り、茶葉を蒸篩より出して、冷台(走り)に撒布する人のこと。
トウチャ(闘茶)
茶を飲んでその茶の産地や等級や種類を当てる競技。茶香服、茶闘(ちゃくら)べに同じ。
トウチャウス(唐茶臼)
中国より伝来した茶臼のこと。15世紀中ごろまでは国産の茶臼はなかった。唐臼(カラウス)に同じ。
ドウツキボウ(穴突棒)
覆下園の下骨で、なるを建てるために地面に穴を開ける道具。穴突き、金突き、突き棒、ドン突き、ドウツキボウ。
トウミ(唐箕)
風力によって茶の重い部分と軽い部分を選別する機械。
トオリ(通)
碾茶園(玉露園)の下骨で、人が乗って藁振りをする太竹の筋を通(とおり)と言い、人が乗らない中竹の筋を合(あい)と言う。
トオリモノ(通物)
トオリに同じ。茶園の畝に平行におく。
トガノオ(栂尾)
明恵上人が栄西から譲り受けた茶を植えた場所。栂ノ尾茶は本茶とされた。
トガノオチャ(栂尾茶)
本茶とされた栂ノ尾産のお茶のこと。
トクムシ(特蒸し)
深蒸しの最初の呼び方。川崎の綱川弘さんが「特蒸し茶」として売り出した。「深蒸し茶」として売り出したのは北村峰吉さんである。
トコモミ(床揉み)
助炭の上ではなく、床で茶を揉むこと。
ヒヤモミ、ムシロモミに同じ。 葉を一纏に両手にて掴み揉み、少しく水分の出たる後之を四分して揉む。
最も葉に損傷せざる様注意し徐々揉みて悪汁を除去し、葉茎に皺の生じて之を握るに真綿を握る心地する迄を度とす。
ドツボ(土壺)
下肥を発酵させるために茶園に埋けてある壺のこと。野壺と同じ。
ドテン(土天)
手製時代の焙炉小屋は柱や天井まで土壁が塗られていた。その土の塗られた天井のこと。土天井
トビコ(飛粉)
製造中に出来る軽い粉のこと。
トマリメ(泊芽)
摘採したその日に製造出来ないで、翌日まで一晩置かれる生芽のこと。昔は多かった。適度な萎凋でよい香りの茶が出来ることもあった。雨の前日などは、無理をして摘採し泊芽にすることもある。
トマリヤマ(泊り山)
製茶時期に地方の焙炉師や摘み娘が雇い主の生産家や問屋の家に寝泊まりすること。
ドミノ(土蓑)
雨天の茶摘のときに摘み女が着る蓑のこと。手製碾茶製造時代は雨天でも製造を休まなかった。
トメイチ(止市)
その年の最終入札会を止市と言う。
トメビ(止め火)
製茶の火入れのこと。止め火入れのこと。
トメバ(止め葉)
十月の中旬から下旬にかけて秋芽の伸びは緩慢になり、「止め葉」という少し小形の葉を出して伸育を止める。
ドヨウメ(土用芽)
梅雨明けの七月に盛んに伸びる茶の芽のこと。
トリゴウ(取合)
何種類かの見本茶をその数量に比例して合して作った見本のこと。
ドロ(泥)
泥粉に同じ。
ドロコ(泥粉)
仕上げのときに選別される50番下、60番下の細かい粉のこと。
トロビ(文火)
徐々に燃焼する火のこと。昔、上級茶の火入れには、炭火に灰をかぶせて、低温で長時間火入れした。
ドンツキ(どん突)
覆下園の下骨で、なるを建てるために地面に穴を開ける道具。穴突き、金突き、突き棒、ドウツキボウに同じ。
トンネル(とんねる)
トンネル被覆のこと。茶園に細い鉄棒を半円形に立て、その上に寒冷紗で被覆する。
トンネルヒフク(トンネル被覆)
トンネルに同じ。
トンビ(鳶)
サイトリのこと。生産家の茶を問屋に斡旋して、双方より歩一(売り上げの1%)をもらう。商いのおいしい所を頂くので、「トンビに油揚げ」からトンビ、茶トンビと言われた。茶トンビ
ドンボネ(どん骨)
碾茶の大骨の事をどん骨と言う。荒骨とも言う。
 

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